今日は地元、愛知県芸術劇場大ホールでオペラ。イタリア・スポレート歌劇場の「チェネレントラ(シンデレラ)」。改修工事をしていた関係もあって、ここでオペラを見るのは久しぶりです。
この公演は当初、チェネレントラ役にダニエラ・バルチェッローナ(メゾソプラノ)、王子ラミーロ役にアントニーノ・シラグーザ(テノール)という豪華なメンバーでやる予定だったんですが、直前になってバルチェッローナが転倒して重傷を負ったとのことで、カルメン・オプリシャーヌという人に交代。ちょっとがっかりしたような、若い代役の人にも期待したいような複雑な気持ちで見に行きました。
今回の座席(3階下手側バルコニー、余談ですが地元名古屋の公演ではどうも良い席に恵まれることが少ないんです)の関係もあると思うのですが、始まってみると・・・どうもバランスが悪いんですよね。オーケストラは30数名くらいの小規模なものなんですが、オーケストラにかき消されて歌手の声が聞こえない。
そうこうするうち、王子様(シラグーザ)登場。さすが、この人の声は通りかたが違う。期待通りの素晴らしいテノールです。不思議なことに、シラグーザの登場によってバランスのおかしかったオーケストラや他の歌手たちも持ち直していき、第1幕の終わることにはまったく気にならない、いや、むしろ素晴らしい状態になっていました。
一流の人間の力というのは凄いものですね。
第2幕の王子様のアリアでは、あまりの大拍手にアンコール。代役のオプリシャーヌも最後の難しいアリアを見事にこなしていました。
演出はコミカルな中にイタリアの伝統も取り入れたもの。レチタティーヴォを一部日本語でやったりサービス精神も旺盛。一時はどうなることかと思いましたが(笑)、とても楽しい公演でした。