今日はびわ湖ホールで小澤征爾音楽塾のオペラ公演。演目はヨハン・シュトラウスの「こうもり」です。びわ湖ホールには初めて行ったのですが、写真のようにホワイエから琵琶湖を一望できる美しいホールでした。
小澤さんは2ヶ月ほど前に椎間板ヘルニアで倒れて今回が復帰公演。ちょっと心配だったのですが、とりあえずは元気そうでした。少し動きがぎこちなかったので、何か装具を付けてたのかもしれません。
音楽塾の公演は昨年も行ったのですが、今年の公演は、ロザリンデ役のアンドレア・ロスト、アイゼンシュタイン役のボー・スコウフスをはじめとする外国人ソロ歌手のレベルが皆高く、とても完成度が高かったと思います。このホールの音響の良さもあり、素晴らしい「こうもり」を堪能することができました。
もちろんオペレッタ(喜歌劇)ですから、笑いの要素も満点です。ソロ歌手陣は台詞や演技でも大活躍。アルフレード役のゴードン・ギーツなんて、セットの2階(ロザリンデの寝室)まで梯子で登ったり降りたり。歌手とは思えぬ軽業です。(笑)
3幕に登場するフロッシュ(刑務所の看守・歌の無い台詞のみの役)は小迫良成さん。大部分の台詞を日本語でやり、もちろん会場は大受けなのですが、他の人の台詞がすべてドイツ語の中での日本語は少し浮く気はしました。これは難しいところですね。まあ、楽しめたからいいかな。
装置、衣装等はサンフランシスコ・オペラ所有のプロダクションとのことですが、1幕は実際に階段と梯子で行き来できる2階建てのお屋敷、2幕は豪華な宴会場、3幕の刑務所も螺旋階段付きの2階建てと、日本全国5カ所を回る公演としては非常に大掛かりな舞台装置でした。運ぶだけでも大変そうですね。(笑)
演出としては細部が凝っていて手抜きのない、しかも比較的判りやすいものだったと思います。アメリカ流なのかもしれません。
全体としてレベルの高い公演でしたが、その中で若いオーケストラと合唱も決して見劣りすることは無かったと思います。その辺は教育者・小澤征爾の力が大きいのでしょう。