こちらの記事のコメントで教えて頂いた、シュレーディンガー「生命とは何か」読了。コメントでは「絶版みたい」と書きましたが、今年5月に新装復刊されていたようです。
ご存知、量子力学の開祖が書いた、生物学の本。特に生物と無生物の本質的な違いはどこにあるのかについて書かれています。
あまり予備知識なく読み進んでいったのですが、遺伝子の説明などにちょっと違和感を感じます。すぐに気がついたのですが、この本が書かれたのは1944年。遺伝子の正体がDNAであることが明らかになる10年くらい前なんですね。分子生物学という分野自体がまだ確立していなかった頃でしょう。
従って、この本の本文にはDNAという単語は出てきません。にもかかわらず、遺伝のメカニズムについての説明は今読んでも正確なものです。それどころか、量子力学や統計力学との関係、自由意志についての考察など、現代でもしばしば議論になるような興味深い話題が満載なのです。DNAのような具体的な構造が判らなくても、ここまで思索を広げられるものなのですね。
哲学的な部分は少し難解でもあり、翻訳も1951年と古いためか(今の基準では)訳文もやや堅く読みやすいとは言えませんが、科学に興味ある人であれば間違いなく読む価値のある「優れた古典」の一つだと思います。
そう、ウィーン世紀末の物理学者の根底には哲学的思索があって、その先に量子力学が生まれたのだと痛感してます。
で、偶然ですね、こちらも、昨日、セス・ロイドの「宇宙をプログラムする宇宙」を買いましたよ。
これから読んでみます!
投稿情報: たけちゃん | 2008年9 月28日 (日) 18:39
わ!!
文庫復刊されたのですかあ!!
早速アマ損購入です!!
ご紹介ありがとうございました!!
投稿情報: Kimball | 2008年9 月28日 (日) 18:48