おかやん（岡田哲哉）のブログ

リーマン予想は解決するのか？

黒川信重・小島寛之「リーマン予想は解決するのか?_絶対数学の戦略」読了。

数学の花形といえば未解決の難問。フェルマー予想（フェルマー・ワイルズの定理）やポアンカレ予想が解決された今、最も解決が期待される難問がリーマン予想ではないでしょうか。

少し変わった構成の本で、最初が黒川氏（この分野の専門家）と小島氏（数学科出身の経済学者）の対談。黒川氏の情熱が伝わってきます。ただし、語られる内容はやや難解なので、本の構成としては次の「リーマン予想まであと10歩」を先に持ってきたほうが良かったのではないかと思いました。

「リーマン予想まであと10歩」の部分がリーマン予想についての入門。現代の数学で使われる様々なツール（解析接続・イデアル・p進数など）についての平易で優れた解説にもなっています。とても判りやすい説明で、この部分だけでも元が取れた感じです。（笑）

最後の「ゼータへの旅・絶対数学」の部分が、まさに数学の最先端で起きていることの説明。さすがに内容が高度なので、ややお話的になっていますが、今数学の世界で起きていることを（判るのではなく）感じることが出来ます。

最先端の数学の興奮が（素人でも）味わえる本。レベルとしては（数学好きであれば）高校生でも読み通せるでしょう。

地味な改良が嬉しい

Windows 7への移行も無事完了して、仕事でバリバリ使っております。

仕事柄、Windows は20年以上前の 1.0 から触っていますが、仕事で使うメインの環境として（あくまで私の感覚として）Windows が使えるなという感じになったのは Windows 2000 あたりから。（それまでは Unix ワークステーションや Mac がメインでした）

それからメジャーなバージョンアップを何度か経験しているわけですが、個人的には大きな機能追加よりも地味な改良が嬉しかったりします。たとえば、

• Windows XP: OSの標準機能としてZIPファイルが開けるようになった。
• Windows Vista: ファイルのリネームのとき、拡張子ではない部分だけハイライトされるようになった。
• Windows 7: OSの標準機能としてISOファイルの書き込みに対応した。

サードパーティーのアプリを入れれば済んだり、ちょっとした手間が増えるだけなのですが、仕方なく古いバージョンを使うときイラっとくるのはこういう地味な点だったりします。

Windows 7 をメインに

Windows 7の最終製品版(RTM)が開発者向けに公開されたので、メインマシンをWindows VistaからWindows 7へ移行中です。

せっかくなので新しいマシンにクリーンインストール。メインマシンのクリーンインストールは2年半ぶり。溜まりに溜まって重くなってた環境が、きれいさっぱりになって（必要なアプリケーションのインストールは大変ですが）なかなか気持ちいいです。

以前、このブログで書いたギガバイトはGBと表示されるのにテラバイトは「テラバイト」と表示される件は、Windows 7 ではGB、TBと統一されているようです。あとは「コンピュータ」が「コンピューター」になったり、細かい違いが意外と目につきますね。

考えなしの行動？

ジェーン・フルトン・スーリ+IDEO「考えなしの行動?」購入。ちょっとジャンルに分類しにくい本です。

写真集のような作りで、ほとんどのページが１枚の写真に数行のコメントだけ。人間が日常無意識にやっていることを写真で捉え、それに著者が示唆に富んだコメントを付けています。

原書は（本来の「設計」という意味での）デザインの専門書らしく、写真のみが「問題」として提示され、巻末に「回答」としてコメントが書かれているようですが、日本語版では同じページに答えが書かれているので一般書としても面白く読むことが出来ると思います。（翻訳者の森博嗣氏は前書きで専門家は原書を読むべきだと書いています）

パラパラ読むだけでも結構楽しめますが、何かアイデアに行き詰まったとき開きたくなる本かもしれません。