新国立劇場でリヒャルト・シュトラウスの「影のない女」。初日(20日)を見てきました。このオペラ、日本でのちゃんとした公演は18年ぶりとのこと。私も初めて見る作品です。
主要な登場人物は、皇帝・皇后・乳母・染物師バラク・バラクの妻、という5人。皇后は霊界の人だから影が無い。で、影を手に入れないと皇帝が石になっちゃうのでバラクの妻から影を譲ってもらおう、というファンタジーな世界のお話。正直言って、事前にあらすじを読んだりDVDを見たりしてもちょっと掴み所のない荒唐無稽な話で、まあ音楽が素晴らしいからいいかな、くらいに思っていました。
ですが、今回の新国立劇場のニュープロダクション(ドニ・クリエフ演出)は、登場人物の中で特にバラクの妻にスポットライトを当てることで、理解しやすい話に仕上がっていたように思います。見た後に「ああ、このオペラはこういう話だったんだな」と改めて納得できる演出でした。
その演出に応えるかのように、バラクの妻役のステファニー・フリーデは大熱演で素晴らしい歌声。またエーリッヒ・ヴェヒター(新国立劇場初登場)の指揮する東京交響楽団も、大編成オーケストラで濃厚な音楽を破綻無く聴かせていたと思います。
ストーリーもハッピーエンドで、爽快感の残る良い公演でした。
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