東日本大震災の影響で、新国立劇場も3月の「マノン・レスコー」は上演中止。4月の「ばらの騎士」も4月7日の公演は中止。10日からの公演となりました。実は4月7日のチケットを持っており、払い戻すか別の日に振替えるか迷ったのですが、最終日の22日に見に行ってきました。
震災の影響により、指揮者と主要なキャストは、
- 指揮:クリスティアン・アルミンク→マンフレッド・マイヤーホーファー
- 元帥夫人:カミッラ・ニールント→アンナ=カタリーナ・ベーンケ
- オックス男爵:フランツ・ハヴラタ(変更なし)
- オクタヴィアン:ダニエラ・シンドラム→井坂恵
- ファーニナル:ペーター・エーデルマン→小林由樹
- ゾフィー:アニヤ=ニーナ・バーマン→安井陽子
と大幅に変更となりました。
特殊な状況ですから、来日出来なくなったことを責めるわけにはいきませんが、こういう時に敢えて来日してくれた指揮者・歌手は心情的には今後も応援したくなりますね。また、普段はカバーキャストとして裏で支える日本人歌手にもある意味チャンスかもしれません。
再演となるジョナサン・ミラーの演出は奇をてらわない正統派。脇役や助演者の細かい演技もよく考えられていて、美しく楽しい演出です。
オーケストラは今回新国立劇場初登場となる新日本フィル。マイヤーホーファーの指揮で本場ウィーン仕込みの実に美しい音楽を聴かせてくれました。また、歌手では予定通り来日してくれたフランツ・ハヴラタと安井陽子さんが光っていました。
今回の公演は震災による特例で払い戻しが可能になっており、また自粛ムードや歌手の変更もあり、正直言うと空席が多くなるのではと心配したのですが、それは全くの杞憂。平日昼間の公演にもかかわらず、よく埋まっていたと思います。カーテンコールでもなかなか拍手が鳴り止みませんでした。
様々な困難を乗り越えて感動的な公演を実現したスタッフに深く感謝したいと思います。この公演の成功は劇場の歴史に深く刻まれることでしょう。
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