東京二期会の「ワルキューレ」(神奈川県民ホール・びわ湖ホール共同制作)、21日のびわ湖ホールの公演に行ってきました。
配役は日替わりですが、私の行った回は下記のような純日本人キャストです。
福井敬さんと大村博美さんはこの役には初挑戦とのことですが、どちらも大変な役にもかかわらず、とても良かったと思います。ブリュンヒルデの横山恵子さんも抜群の安定感でした。
オーケストラは日本センチュリー交響楽団と神奈川フィルハーモニー管弦楽団による合同オーケストラ、指揮は沼尻竜典さん。合同オケというより選抜オケと呼びたくなるような素晴らしい演奏でした。ピットからチラチラ見える沼尻さんの指揮は大振りで、こちらも迫力ありました。
演出はジョエル・オーウェルスによる新制作。まるで映画のカット割りのように頻繁に場面が変化して、全部で何シーンあったのか数え切れないほど。回想としてジークリンデやブリュンヒルデの少女時代のシーン(子役や助演者が出てきます)なども効果的に挿入され、良い意味で「わかりやすい」演出だったと思います。暗転幕と照明の変化を効果的に使っていましたが、セットの入れ替えも多く、ほとんど音楽を止められない作品ですし、裏方さんは大変だったんじゃないかと思ったり。(笑)
全体としてとてもハイレベルで満足できる公演でした。安心して聞いてられる盤石な歌唱・演奏の一方で、演出面では一瞬も目の離せない、とても新しい手法を見せてもらったような気がします。
上演前にびわ湖ホールのホワイエから望む景色。何度来ても本当に美しいホールですね。