発売開始即完売したウィーンフィルの来日公演、幸運にも直前になって良席のチケットが手に入り、名古屋公演(11月7日・愛知県芸術劇場コンサートホール)へ行くことができました。
今年の来日ツアーではクリスティアン・ティーレマンの指揮でベートーヴェンの交響曲が全曲演奏されますが、名古屋公演も、
- エグモント序曲
- 交響曲第1番
- (休憩)
- 交響曲第3番「英雄」
というオール・ベートーヴェン・プログラムです。
天下のウィーンフィルを、まるで学生オケでも振るように1人1人、1音1音、すべて指示するように指揮するティーレマン、前半のエグモントと交響曲第1番ではいろいろ発見のある「新しいベートーヴェン」を聴かせてくれました。
後半の「英雄」は圧巻。緩急のメリハリが効いて、緊張感のある、全休止では思わず息を飲み、楽章の合間では息を吐きたくなる、全楽章を通して壮大なストーリーを感じる素晴らしい演奏でした。アンコールは無しでしたが、この「英雄」の余韻を残したままコンサートを終えるのも悪くないなと、まるで大作オペラを聴いた後のような満足感で会場を後にすることができました。
2年前に聴いたのとは全く違うウィーンフィルという気がしますし、ウィーンフィルの演奏会というよりティーレマンの演奏会という感じもありましたが、ティーレマンの音楽性を破綻することなく支えるのがウィーンフィルの引き出しの多さなのかもしれませんね。