東京・春・音楽祭のワーグナー「ラインの黄金」演奏会形式公演、4月7日に行ってきました。今後4年間で完結する「ニーベルングの指環」の第1回目(序夜)ということになります。
オーケストラはマレク・ヤノフスキの指揮するNHK交響楽団。コンサートマスターにはウィーンフィルでお馴染みのライナー・キュッヒルさんが乗っていました。大編成のオーケストラ、ハープ6台に金床十数個、東京文化会館のステージがとても狭く感じます。
オーケストラがピットに入る舞台公演と違って、演奏会形式はオーケストラの音量がどうしても大きめになりますが、歌手の声もそれに決して負けてなかったです。アルベリヒ(トマス・コニエチュニー)とミーメ(ウォルフガング・アブリンガー・シュペルハッケ)が身振り手振り、ときにコミカルな演技を交えるのに対して、淡々と歌うウォータン(エギルス・シリンス)という対比もなかななか面白いと思いました。
歌手の位置はほとんどがオーケストラの前ですが、2人の巨人、ファーゾルト(フランク・ヴァン・ホーヴ)とファフナー(シム・インスン)はオーケストラの最後方、エルダ(エリーザベト・クールマン)は客席2階Rブロックで、これも見事な効果が出ていたと思います。神々の長・ヴォータンを上(2階席)から諫める知恵の女神・エルダという構図ですね。(笑)
いつも上手いN響ですが、いつもよりさらに良い音で鳴ってるんじゃないかと思わせる、とても音楽性の高い見事な演奏。歌手も粒ぞろいで、来年の「ワルキューレ」以降がとても楽しみになりました。