10月9日は東京フィルハーモニー交響楽団でリムスキー・コルサコフのオペラ「不死身のカッシェイ」(演奏会形式・第97回東京オペラシティ定期シリーズ)、指揮者は今年から特別客演指揮者に就任したミハイル・プレトニョフです。非常に珍しいオペラでプロ楽団によるものとしては今回が日本初演になるとのこと。
演奏に先立って、朝岡聡さんが楽しいトークであらすじを説明。馴染みのない作品だけにとてもありがたかったです。カッシェイというのはロシアの子ならみんな知ってる悪役、それが娘の涙で滅びるというおとぎ話のようなファンタジー。今回新しく作成したのだと思いますが、字幕にも思わずにやりとするような表現があったりしてとても良かったです。
リムスキー・コルサコフの音楽も親しみやすく、ワーグナー風のライトモティーフでストーリーを補強してくれます。プレトニョフ指揮の東京フィル、歌手陣や合唱(新国立競技場合唱団)も素晴らしかったです。外国人の歌手陣とプレトニョフは、9月に同じ演目をロシア・ナショナル管弦楽団と上演したばかりとのこと。磨きの掛かった演奏はそんなとこにも理由があるのかもしれませんね。
全1幕70分という手頃な長さで美しく親しみやすい音楽、ハッピーエンドで感動的なストーリー。いままで上演されなかったのが不思議な感じ。これから演奏機会が増えるんじゃないでしょうか。