東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団 第35回定期演奏会

Feuerwerk35th甥っ子が在籍する東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団、今回の定期演奏会は7月3日、場所は文京シビックホールです。

指揮は鷹羽弘晃さん。夢見るような美しい「ジークフリート牧歌」、切れ味鋭く洗練された「運命」、アンコールの2曲もとても楽しかったです。

うちの甥っ子はなんとメイン曲「運命」のコンサートマスター。途中で隣の奏者の弦が切れるなどアクシデントもありましたが、とりあえず重責を果たすことは出来たようです。

東京交響楽団×鈴木雅明

6月12日、ミューザ川崎東京交響楽団の公演、指揮はバッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督としてお馴染みの鈴木雅明さん。

プログラムは、

後半「オルガン付き」のオルガンを演奏するのは鈴木優人さん(鈴木雅明さんの息子さん)ということで親子の共演です。

前半のモーツァルトはピリオド(曲が作られた当時の楽器や奏法)の音なのに対して、サンサーンスは現代的な音。休憩の前後でそういう対比がありながら、でも疾走感のある雄大な音楽は両方に共通。

爽快で満足感の高いコンサート。鈴木雅明さんの持っている、BCJとは少し違う引き出しを見せてもらったような気がしました。

新国立劇場「ローエングリン」再演

6月1日は新国立劇場で「ローエングリン」。4年前に見た公演の再演です。

タイトルロールは今回もクラウス・フロリアン・フォークト。今回もその存在感ある美声に酔いしれました。他の歌手ではエルザ役のマヌエラ・ウールが(演技も含めて)良かったと思います。

演出は前回と同じですが、4年も経つと忘れてる部分、新しく発見できる部分もあり、そちらでも大いに楽しむことが出来ました。

 

 

ウィーン・フォルクスオーパー「こうもり」

ウィーン・フォルクスオーパーの来日公演、東京文化会館5月19日の「こうもり」に行ってきました。

出演者は日替わりですが、当日は、

指揮:アルフレート・エシュヴェ
アイゼンシュタイン:カルステン・ズュース
ロザリンデ:エリーザベト・フレヒル
アデーレ:レベッカ・ネルセン
イーダ:マルティナ・ドラーク
ファルケ博士:マティアス・ハウスマン
オルロフスキー公爵:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ルフレート:ライナー・トロスト
イワン:ハインツ・フィツカ
フランク:ダニエル・オーレンシュレーガー
ブリント博士:カール=ミヒャエル・エブナー
フロッシュ:ロベルト・マイヤー

という配役。

アデーレ役のベアーテ・リッター(予定していたアニヤ=ニーナ・バーマンが来日直前に交通事故に遭ったため代役)のキュートな歌声・演技が目立っていました。第3幕ではフロッシュ役のロベルト・マイヤー(フォルクスオーパーの総裁ですね!)の弾けた演技も楽しかったです。

新国立劇場「ウェルテル」

Nntt-werther久しぶりの新国立劇場マスネ作曲「ウェルテル」新制作の公演、最終日の4月16日に行って来ました。

指揮者は当初の予定ではマルコ・アルミリアート。本人の都合による降板で代役がミシェル・プラッソンと発表され、その後骨折のためリハーサルにも参加していた息子さんのエマニュエル・プラッソンが指揮棒を振ることになりました。またウェルテル役の歌手は最初の予定ではマイケル・ファビアーノ、それが「本人の芸術上の理由」による降板代役に決まったのはマルチェッロ・ジョルダーニ、ところが交通事故による負傷のためディミトリー・コルチャックに交代という、公演の要となる指揮者とタイトルロールがそれぞれ2回交代するという珍しい事態となりました。

そういう予備知識無しに見てもこの代役2人、なかなかの「当たり」だったと思います。ウェルテル役のコルチャックには美しさと力強さを兼ね備えた声で魅了させられました。シャルロット役のエレーナ・マクシモワとの組み合わせもヴィジュアル面も含めてなかなか良かったと思います。余談ですが、コルチャックとマクシモワ、どちらもロシア人なんですね。

エマニュエル・プラッソン指揮の東京フィルハーモニー交響楽団も良かったです。全体に優しい音だなーと感じました。マスネの音楽の美しさを再認識。 

ニコラ・ジョエルの演出はそれほど大掛かりではありませんが、細部まで美しく作り込まれたセットがマスネの美しい音楽に合っていたと思います。

悲劇的なストーリーにもかかわらず、美しい音楽と演出でとても後味の良い公演でした。

ムーティ・日伊国交樹立150周年記念オーケストラ

Harusai-20162ヶ月前のムーティ・シカゴ交響楽団「運命・巨人」コンサートの会場でチケットを買った、リッカルド・ムーティ指揮日伊国交樹立150周年記念オーケストラ。3月17日東京芸術劇場コンサートホールの公演に行ってきました。今年の東京・春・音楽祭のオープニング公演でもあります。

前半はすべてヴェルディの作品で、

休憩を挟んで後半はボイト作曲の、

というプログラム。

オーケストラはムーティがイタリアの若手を集めたルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団と日本の若手を集めた東京春祭特別オーケストラの混成です。前半からムーティの指揮によく反応して、まさに「ムーティのイタリアオペラ」を奏でていました。

なんと言っても圧巻だったのは後半の「メフィストフェレ」。大編成のオーケストラに合唱(東京オペラシンガーズ)、児童合唱(東京少年少女合唱隊)、独唱(バス:イルダール・アブドラザコフ)、合唱の後方には金管隊と大太鼓のバンダ、そしてオルガン。まったく馴染みのない、初めて聴く作品ですが、壮大な音楽の大スペクタクルに圧倒されました。

この「メフィストフェレ」というオペラ、プロローグの後に1幕から4幕、さらにエピローグまで付く作品らしいですが、今回30分ほどのプロローグを聴いただけでもお腹いっぱいになるような大スペクタクル。いったい全部聴いたらどうなっちゃうんでしょうね。(笑)

オーケストラの名前にも付いているとおり、今年は日伊修好通商条約が締結されてから150年目。また偶然にもこの日はムーティ氏の日本で150回目のコンサートとのこと(ちなみに最初のコンサートは1975年のウィーンフィル来日公演だそうです)。そういう記念の日に、まったく知らなかった新しいオペラに出会えたこと。忘れられないコンサートになりそうです。

小澤征爾音楽塾「こうもり」

Ozawa_academy_2016小澤征爾音楽塾の公演、今年はヨハン・シュトラウスの「こうもり」です。2月27日東京文化会館の公演に行ってきました。

若い小澤征爾音楽塾オーケストラを、小澤征爾さんと村上寿昭さんが振り分けします。 舞台のオリジナルプロダクション(装置・小道具・衣装)はオットー・シェンクによるメトロポリタン歌劇場所有(1986年初演)のたいへん豪華で細部まで作り込まれたもの。

歌手陣は外国人主体でとてもレベル高かったです。皆さん歌声はもちろん、演技やダンス、アドリブでも大活躍。第2幕では東京シティ・バレエ団の豪華なバレエも華を添えていました。

第3幕ではフロッシュ役の笹野高史さんが、お約束のものから時節ネタまでギャグ満載。小澤征爾さんのグラミー賞受賞直後ということもあって、そのあたりも話題になっていました。

音楽の素晴らしさはもちろん、豪華なセットに一流の歌手で、細部まで丁寧に仕掛けのあるサービス満点の公演。とても楽しい時を過ごすことができました。