エレナ・モシュク

Elena-mosuc8日のオテロ公演でのエレナ・モシュクがなかなか良かったので、9月19日のリサイタルにも行って来ました。会場は東京オペラシティコンサートホール、ピアノは浅野菜生子さんです。

曲目は、

というわけで、前半は「アヴェ・マリア」特集。聖母というよりまるで天使のような柔らかい歌声で、穏やかで温かい、幸せな持ちになります。いろんな「アヴェ・マリア」聞き比べという趣向も面白いですね。

後半のオペラ曲はもう圧巻のテクニック。パワフルでありながらよくコントロールされた歌声。4年前のヌッチとの共演も思い出しながら、あの当時からまったく衰えないパワーに感激。

よく耳にする曲も多く、楽しいリサイタルとなりました。

 

バッティストーニの「オテロ」

Orchard-otelloずいぶん久しぶりの更新になってしまいました。

久しぶりのオペラは9月8日、Bunkamuraオーチャードホールヴェルディの「オテロ」演奏会形式、アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団です。

バッティストーニ・東京フィルはコンサートで何度か聴いていますが、フルにオペラを聴くのは初めて。イタリアオペラは得意ジャンルなだけあって実に雄弁で凄みのある「オテロ」だったと思います。

ソリストではデズデーモナ役のエレーナ・モシュクが(失礼ながら)年齢を感じさせない迫力の声と演技。個人的には4年前、レオ・ヌッチと共演した、ミラノ・スカラ座の来日公演を思い出しました。ちなみに今回が初めてのデズデーモナ役とのことですが、とてもそうは思えません。

イヴァン・インヴェラルディの演じる悪役イアーゴ、エミーリア役の清水華澄さんもすごく良かったと思います。

この公演、真鍋大度さん(ライゾマティクスリサーチ)のプロジェクションマッピングによる映像演出も注目されていました。正直思ったよりも大人しいかなと思いましたが、パンフレットの絵に象徴されるような硬質な表現と、逆にソフトな表現のメリハリもあり、ストーリーの補強としてはなかなか良かったと思います。オペラの新しい上演方法として今後にも期待したいですね。

東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団 第36回定期演奏会

Feuerwerk36th毎度の東京大学フォイヤーヴェルク管弦楽団、今回の定期演奏会は12月24日クリスマスイブ、場所は大田区民ホール・アプリコ大ホールで

というプログラム。

この日のコンサートはなんといっても吉田南さんのヴァイオリンに魅了されました。まだ高校生のようですが既に風格すら感じる演奏で将来も楽しみです。メインの「悲愴」も指揮者原田幸一郎さんの意欲を感じる良い演奏だったと思います。

クリスマスイブということで、最後のアンコール曲はオーケストラ全員がクリスマスコスチューム。楽しいコンサートでした。

ホセ・カレーラス リサイタル

12月4日はホセ・カレーラスのリサイタル。場所はサントリーホールです。

いわゆる「三大テノール」で最も若いカレーラスですがそれでも70歳。おそらくパワーでは多少の衰えはあるのでしょうが、それが逆に夢を見るような優しい声として響き、コンサートの副題「スピリット・オブ・クリスマス」に相応しい、心温まる公演となりました。ピアノ伴奏のみというスタイルもよく合っていたと思います。

観客も大熱狂。アンコールはなんと8曲。あれあれ、パワーの衰えなんて無いのかもしれませんね(笑)

ウィーン国立歌劇場 日本公演「フィガロの結婚」

ウィーン国立歌劇場の来日公演「フィガロの結婚」、11月15日の公演に行って来ました。会場は神奈川県民ホール、実は初めて行ったのですが目の前に山下公園を望む素敵なホールですね。中華街も近く公演前後の食事に困らないのも良いです。

ジャン=ピエール・ポネルによる演出はまさに正統派、隅々まで美しく、これぞ「フィガロの結婚」という舞台でした。

歌手では昨年のロイヤルオペラ来日ドン・ジョバンニを演じたイルデブランド・ダルカンジェロが伯爵役。スザンナ役のローザ・フェオーラをはじめとする女性陣も良かったです。

そしてなんと言ってもリッカルド・ムーティの振るウィーン国立歌劇場管弦楽団が最高。今年に入ってからムーティ指揮の公演はシカゴ交響楽団日伊国交樹立150周年記念オーケストラと聴いてるので3回目になります。すっかりハマってしまった感じですね(笑)

マリインスキー・オペラ「エフゲニー・オネーギン」

マリインスキー・オペラ日本公演、10月16日の「エフゲニー・オネーギン」を観に行ってきました。(東京文化会館

第1幕の幕が上がるとカラフルなリンゴいっぱいのステージに引きつけられます。そして幻想的な手紙のシーン、シックで美しい舞踏会、そして何もない黒バックでのラストシーン。まったく飽きるところのない美しい演出でした。

そして何よりワレリー・ゲルギエフの指揮するマリインスキー劇場オーケストラの演奏が本当に素晴らしかったです。チャイコフスキーのロマンチックなメロディーが夢見るように響いてきます。

歌手も合唱もレベル高かったですが、オルガ役のユリア・マトーチュキナ、レンスキー役のディミトリー・コルチャックが印象に残りました。コルチャックは4月にもウェルテルで観てますが、レンスキーという物悲しい役を見事に演じていたと思います。

これぞチャイコフスキーのオペラ、最高レベルのオネーギンを楽しむことが出来ました。

N響90周年記念特別演奏会「一千人の交響曲」

Nhkso-90th-mahler9月8日、NHK交響楽団の結成90周年(結成当時は新交響楽団)を記念した1日限りの演奏会。演目はマーラー交響曲第8番「一千人の交響曲」、指揮するのはパーヴォ・ヤルヴィ、会場はNHKホールです。

NHKホールの広いステージに、さらに奥行き方向を広く取って、ぎっしりと大編成のオーケストラ、その後方に大編成の合唱・児童合唱が並びます。客席にもテレビカメラ多数。後々の放送も期待できそうですね。

パーヴォ・ヤルヴィの指揮は奇をてらうことのない王道のマーラー。オーケストラだけでなく、合唱も独唱陣もレベルが高かったと思います。ちょっとこじつけっぽいですが、2年前にミューザ川崎で聴いたこの曲が「凝縮された一千人」だとすると、今回は「開放された一千人」でしょうか。

音響ではとやかく言われることの多いNHKホールも、この大きな編成の前には「広すぎる」感じはまったくなく、良く響いていたと思います。ちなみに私の座席は2階Rブロック。目の前には巨大なパイプオルガン、すぐ後方には金管のバンダという、音のバランスはともかくとして、なかなか面白いポジションで聴くことができました。

当日は台風崩れの低気圧で大変な湿気。楽器にとっても聴衆にとっても決して良いコンディションとは言えなかったと思いますが、終演後は観客も熱狂的な反応で大いに盛り上がりました。