東京でオペラ鑑賞。一年ぶりの新国立劇場でドン・ジョヴァンニです。
グリシャ・アサガロフの演出による新制作。舞台は(脚本本来の)セビリアではなくヴェネツィア。冒頭、ドン・ジョヴァンニとレポレッロはゴンドラ(舟)で登場です。
こう書くといわゆる新解釈の奇抜な演出と思われるかもしれませんが、そういうわけではなく、むしろオーソドックスで安心して見られる、しかも退屈しない良い演出だったと思います。
舞台装置は新国立劇場らしく、大きく、しかも細かく作り込まれており、衣装もカラフルで美しく、誰が見ても素直に入り込めるように工夫されているように感じました。
ドン・ジョヴァンニの見せどころ、地獄落ちの場面も大迫力で、思わず背筋が寒くなるほど。これは演出の力だけではなく、指揮者コンスタンティン・トリンクスの支配する音楽の力もあるのでしょう。まだ若い指揮者ですが、なかなか良かったと思います。
歌手ではドンナ・アンナ役のエレーナ・モシュクが素晴らしいコロラトゥーラを聴かせてくれました。あと、ツェルリーナ役の高橋薫子さん、騎士長役の長谷川顯さん(白塗りの石像になって大熱演!)も良かったです。
下の写真は帰りに寄った新宿サザンテラスのライトアップ。今半万窯のすき焼きがとても美味しかったです。