横浜みなとみらいホール主催のパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の「フィデリオ」公演。初日(11月28日)に行ってきました。
開演前に壇上を見ると通常のコンサートのような配置でオーケストラの椅子が乗ってますが、良く見ると譜面台にはライトが付いていて、ステージ下中央と舞台の袖には指揮者モニターが設置されています。
コンサートホールでの上演ということで、演出のあまり入らない、いわゆる演奏会形式の公演かと思っていたのですが、オペラが始まると場面によって照明が暗転したり、歌手にライトが当たったり。歌手もオーケストラの前で出番を待って歌うのではなく、場面によって出入りがあり、オペラ形式の公演と同じように演技を行います。合唱(東京音楽大学合唱団)も場面によって出入りがあり、こちらもいろいろ演技を行っていました。
曲と曲の間はジングシュピールのような芝居ではなく、役者さん(ヴォルフ・カーラー)による語りが入ります。これは「4年後のロッコ」が当時のことを回顧するという設定のようです。
一方、音楽の主役はやはり指揮者のヤルヴィでしょうか。比較的小編成のオーケストラをパワフルにブンブン振り回すような、まるでロックコンサートを思わせるような指揮。オーケストラも指揮に応える素晴らしい演奏でした。
歌手陣もみんな粒ぞろいで、特にフロレスタン役のブルクハルト・フリッツ、クリスティーナ・ランドシャーマーの代役でマルツェリーネを演じたゴルダ・シュルツが良かったと思いました。ヤルヴィの音楽と演出や語りの相乗効果で、コンサート形式にもかかわらず、実にドラマチックなオペラ公演に仕上がっていたと思います。
正直言ってこの公演を見るまでは「フィデリオ」ってオペラ、音楽的には名曲揃いの名作に間違いないですが、ストーリーは割と単純な勧善懲悪で、ドラマとしてはどうかなと思うところもありました。今回はそういうイメージを払拭する、まるでヴェルディのオペラを見るような劇的なフィデリオ。感動しました。