ベルリオーズ「トロイアの人々」日本初演

Mariinsky_opera_2011サントリーホールベルリオーズトロイアの人々」の日本初演(14日)。来日中のマリインスキー・オペラ特別コンサートとして演奏会形式での上演が実現しました。

第1幕、第2幕の舞台はトロイア。有名なトロイの木馬のお話です。

第3幕、第4幕、第5幕の舞台はカルタゴトロイアから逃げてきた英雄エネとカルタゴの女王ディドンの出会いと別れのお話。

今回は第2幕と第3幕の間に20分の休憩が1回入るだけ。それでも4時間を要する大作です。

1〜2幕の主役はトロイアの予言者で王女のカサンドル(ムラーダ・フドレイ)、3〜5幕の主役はカルタゴの女王ディドン(エカテリーナ・セメンチュク)。やはりこの2人が目立っていました。特にセメンチュクが素晴らしかったです。

それに比べると英雄エネ(セルゲイ・セミシュクール)など男性陣はちょっと影の薄い感じでしたが、これは歌手の問題というより作品の性格かもしれません。

指揮者のゲルギエフは指揮台無しで舞台に立ち、まるで踊るような指揮。ベルリオーズの技巧を凝らした音楽の魅力を存分に引き出します。流れるような、時間の長さを全く感じない、素晴らしい演奏でした。P席に陣取ったマリインスキー劇場合唱団も大迫力。

終演後、観客はスタンディングオベーションで拍手が鳴り止まず。歴史に残る名演だった思いますが、ただ、かなり空席が多かったのは一回きりの公演だけにちょっと残念でした。

これまで日本での上演機会が無かったわけですが、大迫力のスペクタクルあり、美しい2重唱あり、4幕冒頭など優れた器楽曲・バレエ音楽ありで、なかなか良く出来たオペラだと思います。

今回は演奏会形式の上演で音楽に集中して情景を想像しながら聴きましたが、やはりいつか本格的な演出による上演を見てみたいですね。時代に忠実なものから現代化まで、様々な演出が可能な作品だと思います。また、まだ日本で上演機会のない「ベンヴェヌート・チェッリーニ」なども見てみたいです。

感動のコンサートが終わりホールの外へ出ると、なんと大雪。かなり積もっていてホテルまで戻るのに難儀しました。東京で2cm以上の積雪があったのは3年ぶりとのこと。ちなみに余談ですが、前回の大雪の日(2008年2月3日)はNHKホールでゲルギエフ指揮マリインスキー・オペラ「イーゴリ公」の公演があったのでした。ひょっとするとゲルギエフって雪男(?)なのかもしれませんね。