東京フィルで黛敏郎

Tpo_mayuzumi

昨年創立100周年を迎えた東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会。3月9日にサントリーホールへ行ってきました。

プログラムはすべて黛敏郎の作品で、

というもの。

「トーンプレロマス55」は管楽器と打楽器のための作品で、弦楽器の人たちはお休み。多種多様な打楽器やミュージカル・ソー(ノコギリ)やサイレンなども使われる面白い曲です。音楽的にもいろんな要素が織り交ぜられているなと感じました。

弦楽五部を加えて「饗宴」。これはビッグバンド・ジャズのようなエネルギー溢れる曲。他ではなかなか聴けないサクソフォーン・セクションと弦楽の掛け合いなども面白いなと思いました。

前の2曲がジャズとすると、次の「BUGAKU」は雅楽という感じで雰囲気がちょっと変わります。宮中の雅楽のような響きの中に祭り囃子のようなフレーズも出てきて盛り上がります。

休憩をはさんで本日のメイン「涅槃交響曲」。ステージ上には大編成のオーケストラと男声合唱(東京混声合唱団)が載り、客席上方左右(おそらくLCブロック、RCブロックあたり)にも追加の管楽器・打楽器・コントラバスが配置されます。

 3群に分かれたオーケストラが再現する鐘の音、そして独唱・合唱による読経の声。後半では、大伽藍の鐘が一斉に鳴り響くような荘厳な音響や合唱の盛り上がりもあり、まるでサントリーホールが山奥の禅寺に移動したような響き。 他に例えるジャンルが無いような、独自の境地の音楽です。

広上淳一さんの全力を振り絞る感じの、良い意味で力のこもった指揮が、この複雑な音楽を高い次元でまとめて、素晴らしく感動的な演奏でした。

4曲の表面的な特徴や体裁はいろいろですが、黛敏郎という作曲家が作る音楽の凄さがよくわかり、また個人的には50才になったばかりの私が生まれた前後に発表された曲ということで興味深く、大変に満足した「黛スペシャル」な夜でした。