新国立劇場「死の都」

Nntt_die_tote_stadt新国立劇場オペラパレスでコルンゴルト死の都」、初日3月12日に行ってきました。日本初演ではありませんが、かなりそれに近い公演です。(演奏会形式の初演は1996年の井上道義指揮・京都市交響楽団、舞台形式での初演は数日前のびわ湖ホール公演

 今回の演出はカスパー・ホルテンフィンランド国立歌劇場からのプロダクション・レンタルでの公演です。(フィンランド国立歌劇場での公演はDVDで見ましたが、多少アップグレードされているように感じました)

細部まで細かく、また美しく作り込まれた舞台装置で、基本的には3幕とも同じセットですが、照明の変化、装置自体に仕込まれた多数の照明、後方のブラインドの開閉、左右の壁の移動などによって、現実的な場面から幻想的な場面まで大きく変化する、全く見る者を飽きさせない、優れた演出だと思いました。

歌手ではパウル役のトルステン・ケール、マリエッタとマリーの声を演じたミーガン・ミラー。この2人の歌手に掛かる比重が飛び抜けて高い(そのあたりも上演機会の少ない理由でしょうか)作品ですが、本当に見事な出来だったと思います。

オーケストラはヤロスラフ・キズリンク指揮の東京交響楽団。ハープ×2・ピアノ・チェレスタ・ハルモニウム・各種打楽器など加わった大編成のオーケストラが色彩豊かな音楽を奏でていました。

20世紀のオペラということから想像するような難しさのない、乱暴に言えばプッチーニリヒャルト・シュトラウスの「いいとこ取り」のような美しい音楽。そして題名から想像するよりも、ずっと心温まるストーリー。今後は上演機会が増える予感がしています。