新国立劇場2012/2013シーズンの開幕はベンジャミン・ブリテン「ピーター・グライムズ」、11日に見に行きました。ブリテンの代表作ですが、日本では上演機会の少ないオペラで貴重な公演と言えるかもしれません。
演出は少し前(2005年)のザルツブルク音楽祭・椿姫が世界中で話題になったウィリー・デッカー。傾斜した床の上に可動式の2枚の大きな壁があるだけ、黒を基調としたシンプルな舞台ですが、それほど抽象的でもなく理解しやすい演出だったと思います。(ベルギー王立モネ劇場からのプロダクション・レンタル)
タイトルロールを歌うのはスチュアート・スケルトン、役からイメージするよりも柔らかく優しい声で、こういうグライムズもなかなか良いなと思いました。エレン役のスーザン・グリットンも良かったです。
でも、このオペラの主役はむしろ合唱ではないかと思うくらいに合唱が大活躍。いつもながら素晴らしいこの劇場の合唱団ですが、歌だけでなく演技のほうでも大熱演でした。
前回のローエングリンもそうでしたが、平日昼間の公演にもかかわらず客席はほとんど満員。休憩を第1幕の後に1回だけ入れて、第2幕と第3幕を通しで上演するという形式も、ストーリーが重要なオペラだけに間延びしなくて良かったと思います。
馬鹿みたいなストーリーのオペラも楽しいですが、こういうシリアスな、深く心に突き刺さるようなオペラもなかなか良いものですね。