ボリショイ・オペラ「スペードの女王」

Bolishoi_opera_2009 ボリショイ・オペラの日本公演(NHKホール)で、チャイコフスキースペードの女王。なぜか今週はロシア三昧なのです。

幕が上がると、舞台の上は二階建て。大掛かりではあるのですが、シンプルなセット。しかしながら、ライティングなどは結構凝っていてヴィジュアル的にも飽きさせません。本来3幕のオペラですが、今回の演出では第2幕の途中(女王様登場の合唱の後)に一回だけ休憩を入れるという構成になっていました。これは第2幕最後の伯爵夫人の死から第3幕で幽霊になって出てくるまでの連続性という点では効果的だったと思います。

比較的カットされるところの多いオペラ(第2幕の劇中劇を丸々カットなんてことも珍しくありません)なのですが、今回は比較的フルバージョンに近かったのが嬉しいです。(第2幕のバレエ1曲と第3幕のトムスキーの歌はカット)全体として演出面で主張をしすぎず、音楽をきちんと聴かせようという姿勢に好感が持てました。もちろん、そういう演出がちゃんと成立するのは超一流の音楽があってこそでしょう。

ミハイル・プレトニョフ指揮によるボリショイ劇場管弦楽団は一糸乱れぬ演奏で、まるで交響曲を聴くように酔わせてくれました。歌手ではゲルマン役のウラディミール・ガルージン。この人のゲルマンは2年前のサイトウ・キネンでも聞きましたが、相変わらずの声量と美声。リーザ役のエレーナ・ポポフスカヤもよかったです。

驚いたのは、満70才目前の超ベテラン大歌手、エレーナ・オブラスツォーワが伯爵夫人を演じていたこと。迫真の演技で主役の2人に負けない拍手喝采を浴びていました。

一昨日に引き続き、ロシア音楽界の底力と層の厚さに圧倒される公演でした。